毎日飲み込んでいる「唾液」の中身
私たちは一日に1リットル以上の唾液を自然に飲み込んでいます。その唾液には、数えきれないほどの細菌が含まれています。ほとんどは胃酸や消化液によって死滅しますが、腸内環境が乱れていると一部の菌が生き残り、腸まで届いてしまうことがあります。
口から腸へ ― 口腔腸管転座とは
お口の中の菌が腸にまでたどり着いて定着する現象を、「口腔腸管転座(こうくうちょうかんてんざ)」 と呼びます。これが起こると腸内フローラ(腸内細菌のバランス)が崩れ、便通の不調や腸の炎症につながることがあります。最近の研究では、大腸がんや炎症性腸疾患との関わりも報告されています。
歯周病菌が腸に影響する?
特に歯周病菌やフソバクテリウム属の菌は、腸で見つかることがあります。つまり「お口の病気が腸に波及する」ことが実際に起こり得るのです。
お口のケアが腸を守る
歯磨きや舌の清掃、定期的な歯科検診は、虫歯や歯周病予防に加えて、腸の健康を守るためにも大切です。お口の環境を整えることは、腸内フローラを整え、全身の健康につながります。
まとめ
お口と腸は、想像以上に密接なつながりがあります。今日の歯磨きが、明日の腸と体の元気を支えているのです。毎日のケアを大切にして、体の内側から健康を育てていきましょう。