私たちの口の中には、実は700種類以上の細菌が共存しています。これらは「口腔内フローラ」と呼ばれ、健康な人の口の中ではバランスを保ちながら、歯や粘膜を守る働きをしています。しかし、その環境を左右する大きな要因のひとつが「唾液のpH」です。
健康な唾液のpHはおおむね 6.5〜7.5(中性〜ややアルカリ性)に保たれています。この範囲では、歯を守るミネラルが安定し、善玉菌が活動しやすい状態です。ところが、食事や飲み物、ストレス、口呼吸などによって唾液が酸性(pH5.5以下)に傾くと、口腔内のバランスは一気に崩れます。酸性環境では、ミュータンス菌などの虫歯の原因菌が増えやすく、歯の表面からミネラルが溶け出しやすくなるため、虫歯や口臭のリスクが高まります。
一方で、アルカリ性に傾きすぎることも注意が必要です。アルカリ性環境では歯石がつきやすく、歯周病菌が増殖するリスクが高まります。つまり、「pHのバランス」は、単に歯の健康だけでなく、口腔内フローラ全体の調和に関わる重要な指標なのです。
唾液は本来、食後に酸を中和し、細菌バランスを整える「天然のクッション」のような役割を持っています。しかし、ストレスや加齢、睡眠不足などで唾液量が減ると、その調整機能が低下し、口腔内の環境は悪化してしまいます。
近年では、口腔内のpHや細菌叢の状態が、全身の健康にも深く関わっていることがわかってきました。歯周病菌が血流を介して全身に影響を及ぼし、心疾患や糖尿病、認知症などのリスクを高める可能性があると報告されています。つまり、口腔内の健康を保つことは、「全身のウェルビーイング」を守ることにつながるのです。
MPA WELLNESSでは、「測ることからはじまる健康管理」を大切にしています。唾液のpHや口腔内環境を知ることは、毎日のケアを見直す第一歩。科学と自然の力で、自分の健康を“見える化”し、心と体のバランスを整えるサポートをしていきます。